シーリング工事

 

シーリング工事は各部材間の接合部や目地(隙間)から雨水などの侵入を防ぐために行われる工事です。シーリングの材料も種類が沢山あり、シーリング材の種類により、復元性・物性変化(引張応力・伸びなど)・充填後の収縮・使用温度範囲・耐候性・耐疲労性・留意事項・シーリング材の汚染性は異なります。また、目地に求められる諸機能に合致するシーリング材を選択することがポイントとなります。
シーリング材は大まかに分けると1成分形と2成分形に分けられます。
1成分形は空気中の水分と反応して表面から硬化する湿気硬化形や、空気中の酸素に反応する酸素硬化形や、油性コーキング材は表面は空気中の酸素と反応して被膜を形成しますが内部は硬化しない非硬化形の材料もあります。
1成分形のシーリング材の種類はシリーコーン系・変成シリコーン系・ポリサルファイド系・ポリウレタン系・変成ポリサルファイド系・アクリル系・ブチルゴム系・シリコーン系マスチック・油性コーキング材の9種類あります。
2成分形は混合硬化型といって硬化剤と基材を合わせシーリング専用撹拌機等で撹拌させることによって反応して硬化するシーリング材をいいます。
2成分形のシーリング材の種類はシリーコーン系・変成シリコーン系・ポリイソブチレン系・ポリサルファイド系・ポリウレタン系・アクリルウレタン系の6種類あります。

シーリング材の一般性質

シリコーン系シーリング材

シリコーン系とはオルガノポリシロキサンを主成分としたシーリング材で、耐熱性、耐候性、耐疲労性、復元性に優れています。また、ガラス類によく接着する特性があります。一方、目地周辺を汚染することがあるため、汚染防止処理が必要な材料です。オルガノポリシロキサンは形成された硬化皮膜の表面硬度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等において優れています。しかしながら、このオルガノポリシロキサンを用いた硬化性組成物は、有機系の硬化性樹脂組成物とは異なり、その架橋密度に起因して、耐脆性、耐クラック性、耐アルカリ性、耐収縮性等の点でその性能が劣ります。

1成分形

1成分形は湿気硬化型といって空気中の水分と反応して硬化します。1成分形は主成分はオルガノポリシロサン、可塑剤はジメチルポリシロサン、充填剤はシリカ等、着色剤は無機系の顔料が使われています。

2成分形

2成分形は反応硬化型といって、基材の主成分であるオルガノポリシロサンが硬化剤の触媒によって反応して硬化します。
可塑剤は入っていなく、充填剤は炭酸カルシウム等を使用しており、その他タレ防止剤などが含まれています。硬化剤の成分はアミノキシシランや反応調整剤等が含まれています。

変成シリコーン系シーリング材

変成シリコーン系シーリング材とはオルガノポリシロサンを持つ有機ポリマーが含まれているシーリング材のことをいいます。
耐候性にはシリコーン系よりは劣ってしまいますが耐候性は良く、柔軟性がありムーブメントの大きい金属類への使用も可能な材料です。
また、架橋密度に起因して、耐脆性、耐クラック性、耐アルカリ性、耐収縮性等の点でその性能が優れています。

1成分形

1成分形は湿気硬化型といって空気中の水分と反応して硬化します。1成分形は主成分は変成シリコーンポリマー、可塑剤はフタル酸、エステル等が含まれています。充填剤は炭酸カルシウム等を使用しており、硬化剤は錫化合物、その他タレ防止剤等が含まれています。着色剤は無機系の顔料が使われています。

2成分形

2成分形は反応硬化型といって、基材の主成分である変成シリコンが硬化剤の触媒によって反応して硬化します。
可塑剤はフタル酸、エスタル等が含まれており、充填剤は炭酸カルシウムその他タレ防止剤などが含まれています。硬化剤の成分は錫化合物や反応調整剤等が含まれています。

ポリサルファイド系シーリング材

ポリサルファイド系シーリング材とはポリサルファイドを持つ有機ポリマーが含まれているシーリング材のことをいいます。耐候性には変成シリコーン系よりは劣ってしまいますが耐候性は良く、表面にゴミ、ほこりが付きにくい特性があります。また施工時の環境温度によって硬化時間の変化が大きい為注意が必要です。また脱鉛対策として鉛を酸化させた二酸化鉛がシーリング材で新たに開発されました。それ以降、弊社では大理石以外あまり使用していません。

1成分形

1成分形は湿気硬化型といって空気中の水分と反応して硬化します。1成分形は主成分はポリサルファイドポリマー、可塑剤はフタル酸、エステル等が含まれています。充填剤は炭酸カルシウム等を使用しており、硬化剤は金属過酸化合物、その他タレ防止剤等が含まれています。着色剤は無機系の顔料が使われています。

2成分形

2成分形は反応硬化型といって、基材の主成分であるポリサルファイドが硬化剤の金属酸化物と反応して硬化します。
可塑剤はフタル酸、エスタル等が含まれており、充填剤は炭酸カルシウムその他タレ防止剤などが含まれています。硬化剤の成分は二酸化鉛や反応調整剤等が含まれています。

アクリル系シーリング材

アクリル系シーリング材とはアクリルウレタンを主成分とした2成分形のシーリング材のことをいいます。

2成分形

2成分形は反応硬化型といって、基材の主成分であるウレタンプレポリマーが硬化剤の主成分である活性基をもつアクリルオリゴマーとが反応して硬化します。
可塑剤はフタル酸、エスタル等が含まれており、充填剤は炭酸カルシウムその他タレ防止剤などが含まれており、脂肪酸金属塩等が含まれています。

ポリウレタン系シーリング材

ポリウレタン系シーリング材とはポリウレタンを主成分としたシーリング材のことをいいます。耐疲労性、復元性に優れたシーリング材であり、中間的な性能分野の利用が多く使われています。

1成分形

1成分形は湿気硬化型といって空気中の水分と反応して硬化します。1成分形は主成分はポリサルファイドポリマー、可塑剤はフタル酸、エステル等が含まれています。充填剤は炭酸カルシウム等を使用しており、硬化剤は錫化合物、その他タレ防止剤等が含まれています。着色剤は無機系の顔料が使われています。

2成分形

2成分形は反応硬化型といって、基材の主成分であるウレタンプレポリマーが硬化剤のポリオールと反応して硬化します。
可塑剤はフタル酸、エスタル等が含まれており、充填剤は炭酸カルシウム、その他脂肪酸金属塩等が含まれています。